ASDと判明した経緯についての記事の続きを書きたいな―と思いつつ、進まない。
書くとなると、辛かった思い出に向き合わなくてはいけないので、結構メンタルが削られるのだ。
ぼちぼち書きます。少しずつ。
さて、話は変わってタイトルの「私の家は臭いのか?」について書く。
私は数年前に新築一戸建てを購入した。
入居以来、我が家に入ったのは宅配便含む業者さん、遠方に住む親族、遠方に住む私の学生時代の友人のみである。
私の学生時代の友人達はみんな遠方に暮しており、滅多に我が家に来ない。
また、ママ友含め、大人になってからできた友人で家を行き来する関係の人はいない。
さらに夫も私と同じような感じなので、我が家はかなり来客の少ない家である。
本当は、ママ友を家に呼んでみたい気もちょっとだけ、する。
今は公園や学校で会った時に話すだけだけど、家も近所だし、あの人なら多分トラブルにならなさそうだし、もっと仲良くなれそうかも、という人がこんな私にもいるのだ。
ただ、そこで気になるのがタイトルの通り「私の家は臭いのか?」である。
誰しもこんな経験があるはずだ。
人の家の玄関ドアを開けた瞬間、鼻腔いっぱいに広がるニオイ。
爽やかなルームフレグランスのこともあれば、「これは排水溝のあたりに淀みがありそうだな?」ということもあるだろう。
いい香りの時は素直に褒めるが、そうではない時には、よほど関係性が出来上がっていない限り何も言わないのが大人というものである。
しかし、子どもは違う。
忘れもしない3年前の初夏、近所の子どもが我が家の玄関先に来た。
普段は公園でよく遭遇する子どもたちで、私の子どもが公園で落とした物を拾って届けてくれたとかそういう用事だったと思う。
その子どもたちが我が家の玄関に入ったのは初めてだった。
近所の子どもたちは玄関ドアを開けると、一瞬「?」という顔をしたあと一人が「この家、臭い」と言った。
一人はすぐに鼻をつまみ、一人は気を遣ったのか「なんていうか、雨の臭いみたい」と言い、一人は「えー!臭い~!!」と爆笑していた。
子どもたちの中には4歳くらいのまだ幼い子もいて、示し合わせて嘘をついたような、そんな風には決して見えなかった。
つまり、本音である。
私は全身の血が引くほどのショックを受けた。
え????臭い??????
私の家が?????????????
どちらかと言えば潔癖症な私の家が、臭いだって??????
子どもたちがいなくなったあと、クラクラしながら家の臭いについて考えた。
この家の臭い。
全然気づかなかった。我が家の誰もが気づいていなかった。
でも、思わず鼻をつまむほど、臭すぎて笑ってしまうほど、臭いらしい。
どんだけだよ。
なんなんだ、「雨の臭い」って。
私はわりと綺麗好きで掃除はきっちりやる方なので、特別不潔にしていた訳ではないと断言できる。
例えば、臭いの出やすい台所について。
使っているのは蓋つきのゴミ箱だし、臭いやすい生ごみは冷凍しているし、もちろん溜めることなくこまめに収集場に持っていっている。
冷蔵庫の中にも強い臭いを発する食べ物は入っていなかった。
台所だけじゃない。
靴箱も置き型ファブリーズ(無香タイプ)を置いて対策済みだ。
洗濯槽だって定期的に薬剤で洗浄している。
風呂も洗面所もしょっちゅう掃除しているし、排水溝も時々パイプクリーナーで洗浄している。
やることはやっていたつもりだった。
では何だろう。何がそんなに臭いのか。
夫は鼻が悪いから参考にならないが、私も我が家の子どもも普通に鼻が利くのに、家の臭いには気づかなかった。
ということは、我が家の悪臭はじわじわと強くなって、私たち親子の鼻を慣らしていったのではないだろうか。
ここでピンと来たのが、使っていない2階のトイレだった。
我が家の2階のトイレは普段全く使っておらず、入居以来ドアを開けることすら稀だった。
意を決してそっと2階のトイレを開けると、激臭というほどではないが、確かにそこには「臭い」があった。
この臭いが空気の流れで玄関に溜まってまとまり、激臭になったのかもしれない。
この臭い……なるほど「雨の臭い」と言われればそうかもしれない。
ほとんど水が無くなっていたトイレをひとまず流し、一通り掃除をしてその日を終えた。
そして、翌日「特大無香空間」を買い求め、日々の掃除のルーティンに「2階のトイレを流す」を加えたのである。
恐らく今、我が家は臭くないのではないかと思う。
でも確証はない。
なぜなら、その後「臭い」と言った子どもたちが我が家に来ていない上に、我が家に来る人は大人なので多少臭くても何も言わないだろうからだ。
一番率直に臭さを指摘しそうな親族(遠方在住)が家に来た時、何も言われなかったが、ちょうど気候が良かったので窓全開、つまり換気されまくっていたので参考にならない。
検証のために締め切っておくべきだっただろうか。
でもしばらくぶりに会う人を、あえて悪臭の可能性が高まる環境下におくのもちょっと……。
というか、私は2階のトイレが激臭の元だったと仮定しているが、そもそもそれ自体が間違っている可能性もある。
私がまだ気づいていない原因があるのかもしれない。
私は未だに笑えるほど臭い家で暮らしているのかもしれない。
私が先ほど書いたママ友を家に呼んだとして、おそらくママ友は大人だから臭くても「臭い」と言わないだろう。
でも、私はママ友から「○○ちゃんのママ」ではなく「かなり臭い家に住んでいる女」と認識を変えられる可能性がある。
あの家は臭いからもう行きたくないなんて思われるかもしれない。悲しい。最悪だ。
というかシンプルに、我が家に来てくれた人にこれ以上臭い思いをさせたくない。
どうすればいいのか。
どうすれば、我が家の臭いを客観的に知れるのか。
こんな時、私はありましないサービスを妄想する。
それは、何でも率直に言ってくれる第三者を派遣してくれるサービスである。
我が家に派遣されてくるのは、一般的な感性を持った3~40代の女性グループだ。
彼女らは、私とは何の面識もなく、遠方に住んでいる等の事情で、これまでもこれからも私と一切関係がない人たちが望ましい。
あと腐れがないから、変に忖度することなく、ありのままの意見を率直に言ってくれるだろう。
私は彼女たちに、我が家の臭いについてズバリ言って欲しいのだ。
「確かにこれは笑っちゃうくらい臭いですね!正直、激臭(笑)」とか言ってほしい。
ついでに「臭いは気にならないけれど、玄関の飾りの趣味が悪すぎるかも」なんて意見も聞きたい。オプションだろうか。
悪口ではなく、気になったことをなんでも言って欲しい。「別に何も気にならない」でもいい。
悪く言われたから恨むなんてお門違いなことは、万が一にもしないと誓う。
だから、お願いだから我が家に派遣されてこないか。
人に対してネガティブなコメントをすることに敏感になった、このご時世。
かなりの信頼関係が築けていない限り、ポジティブな言葉以外のコメントはタブーである。
裏を返せば、周囲とそこまでの人間関係を築けていない者は、いつまでも自分に関するネガティブな事実を知らずに生きてしまう。
そう、私のように。
私のように、子どもの口から無邪気な言葉を聞くまで、激臭の家に暮らすことになる。
(いや、まだ暮らしているのかもしれない。)
私のような者を増やさないためにも、デリケートなことを率直に伝えてくれるサービスは必要なのではないだろうか。
こんなご時世だからこそ。
いいサービスだと思うんだけど、実現しないかなぁ(しないか)。
このままだと思い余って宅配便のお兄さんに「この家、臭くないですかっ!」と詰め寄ってしまいそうだ。
激ヤバすぎる。
激ヤバ女か激臭女か。
究極の選択を、今迫られている。
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