ラッキーな好き嫌い

これを読んでいるあなたは、好き嫌いが多い方だろうか。

我が家の子ども達にはそれぞれ好き嫌いがある。

特に下の子は多い。

ピーマン、ナス、かぼちゃ、きのこ、焼き魚などなど。

栄養が多くて庶民的な食材ばかりが苦手なので、献立を考える私としては困ってしまう。

ただ、上の子を見ていると、成長と共に好き嫌いは減っていくようだから、あまり神経質にならないように見守っている今日この頃だ。

かく言う私も好き嫌いが多い。実は。

下の子に「ピーマンも慣れると美味しいよ」なんて声をかけて食べさせようとしている時、心の中では「どの口が言ってんだか」と思っている。

私自身は嫌いな物に慣れる努力も減らす努力もしていないからだ。

でも、子どもたちは私に好き嫌いが多いことに気づいていないし、ましてや子どもから「お母さんだって人にばっかり食べさせようとしないで自分も食べろー!」と糾弾されることもない。

なぜか。

理由は私が嫌いな食べ物にある。

私が嫌いな食べ物は、生の魚介類全般だ。

唯一、白身魚と蟹のお刺身は食べられるし、ある程度美味しさも分かる。

だが、それ以外の、特に脂ののった生魚はどんなに新鮮なものでも苦手だ。

ウニ・白子・牡蠣あたりは残念ながら良さが全然わからない。

塩辛などの珍味系に至っては食わず嫌いである。

食べなくても絶対に嫌いだということが分かる。

そんなわけで、加熱すればまあまあ食べられるとは言え、生ならば魚介類「全般」が苦手になるのだから、結構広い範囲で食べられないものがあると言える。

しかしながら、私の嫌いな物は

・家族にとってはご褒美的な存在(=私の分を渡してやると喜ばれるし感謝される)

・一部高価だったり珍しいものなので食卓にのぼらなくても不自然ではない

のどちらか、もしくはどちらも兼ね備えているため、私が食べないことが目立たないし、むしろ私が食べないことによって喜ばれるのである。

本当は嫌いな物を押し付けているだけなのに、「子ども達よ、お母さんはいいからこのお刺身(子どもの好物)を食べなさい」などと言っている私の姿からは、古き良き母親の優しさすら感じられないか。

我ながら、都合のいい好き嫌いで良かったなと思う。

もしこれが、生の「野菜」全般が嫌いだったりしたら、子どもに「お母さんだって野菜食べてないじゃん!」と言い返されてぐうの音もでなかっただろう。

なんて運がいい。

私のように、嫌いな物がたまたま野菜や肉などメジャーどころでは無いおかげで、好き嫌いの多さを非難されずに済んでいる人は実は多いんじゃないだろうか。

なお、夫は私が嫌いな生牡蠣が好物である。

ときどきスーパーで生牡蠣を購入し、夫だけが夕食に食べる。(生牡蠣は子供もまだ苦手だ)

夫はそのたびに「俺だけが食べていいの?悪いなぁ、ほんとにいいの???」などと申し訳なさそうに食べている。

いいに決まってる。私はむしろ食べたくないのだから。

何だか勝手に夫は恩を感じて、「俺ばっかり悪いから」と私にアイスやチョコレート(私の好物)を買うよう勧めてきたりする。もちろん買う。

これで私が嫌いな物が野菜だったらこうはいかないだろう。

本当に、ラッキーな好き嫌いだ。

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